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こじのりの日々(JazzFlutistの演奏とお酒のブログ)



2014年3月29日、日本酒ジャズライブの資料です

3月29日、日本酒ジャズライブの資料です。
都内でのこのイベント、久しぶりだったので、お酒と曲の解説を書いてみました。
せっかく書いたので、ブログにペーストします。また、秋頃に違うお酒&ジャズライブ、できたら嬉しいですね。

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日本酒ジャズライブ 2014年3月29日(日  新丸ビル TIKI BAR TOKYO にて。

サケオフィス テラダ
小島のり子(フルート)&山口友生(ギター)DUO


◉獺祭(だっさい)-純米大吟醸/山口県周東町獺越、旭酒造。
「Bridge In The Afternoon」2007年9月作曲。
[お酒について] 岩国の名酒、ここ数年また有名度が上がりました。社長は雑誌やテレビにも登場し、本も出版されました。
ここのお酒は、すっきりしていて、少し酸味があって控えめな香りもあって、透明感と、どこか華やかさのある美味しさ、美しい味わい。これを曲にしたい、とずっと思っていました。味わいを思い出しながら丁寧に作りました。
[曲について] CD「Lush Life」収録。2006年4月、山口県岩国市の錦帯橋に初めて行きました。桜の咲いた雨の日で、木でできた大きな橋の階段をゆっくり上がって降りました。しめやかで美しい春の午後。このときの景色を、獺祭の味わいとブレンドさせて曲にしました。美しいジャズワルツになりました。CDでは三割九分、といたしましたが、50でも48でもOKです、造るお酒総てが純米大吟醸の蔵、獺祭の味わいの曲です。

◉鶴齢(かくれい)-純米吟醸/新潟県魚沼市、青木酒造。
「A Crane Is Fling In The Dream」2007年3月作曲。
[お酒について] 居酒屋で日本酒を飲みながらのジャズライブが2005年に開始。寺田さんから、日本酒のオリジナル曲を集めてCDにしてはどうか、というアイディアをいただいたのが2006年でしょうか? そして最初に書いたのが、友人とよく飲んでいたこのお酒の曲。
鶴齢は、味わいのあるお酒です。新潟の多くのお酒が端麗辛口、とされますが、このお酒はさらりとしていてもふくよかな味わいがある。雪深い寒い、おいしい水とお米でお馴染みの魚沼。ここのお酒をわたしは「叙情的な味わい」と表現しました。
[曲について] 冬の凍てつく空を飛ぶ一羽の鶴が、いつしか夢の中を去って行く、というイメージで、ボサノバ。そもそも鶴齢は、鶴の年齢、ということでおめでたいお酒なのですが、味わいからこのような曲とタイトルになりました。叙情性、透明感、美しさとせつなさ、しっとりとした曲です。CD「Lush Life」収録。

◉七田(しちだ)-純米無濾過/佐賀県小城市、天山酒造。
「Seven Ways To A Kiss」2008年1月作曲。
[お酒について] 天山酒造は「天山」というお酒がメインブランドで、「七田」は、比較的新しいお酒です。六代目蔵元が自分の理想とする味わいを、情熱とこだわりを持って醸した清酒とのこと。低精米の七割五分磨きシリーズは年々素晴らしい味わいになっています(本日お出しするのは75ではなくもっと磨いたもの)。ここのお酒は濃さのあるしっかりした味わいですが、すっとした澄んだミネラルのある水の味わいも感じられます。
[曲について] 味わいのしっかりした、旨味もたくさんの、美味しく飲み飽きないお酒。色っぽさのあるお酒です。馥郁とした色っぽい曲、をめざして書いてみました。クロマチックを使ったメロディーは(ストレイホーン-エリントンを意識した)最初の4小節に7音、次の4小節も7音でできています。後半は次第にペンタトニックになり、かっこいいキックが入る。和と、コンテンポラリージャズの味わいがある曲になりました。CD「Lush Life」収録。

◉加賀鳶(かがとび)純米吟醸/石川県金沢市、福光屋。
「The Cool Kite」2010年7月28日作曲。
[お酒について] 銘柄「加賀鳶」は、江戸時代の加賀藩江戸屋敷お抱えの火消しが由来。大変粋で人気があったとされています。フルーティな吟醸香と、キレの良い飲み口が特徴。爽やかな中に、ちょっと独特の味わいがあって、それがまた魅力です。冷たくして飲むのが美味しい。
[曲について] CD「Songs for My Sake」収録。Coolは「かっこいい」Kiteは「鳶(とび,鳥の名称)」。江戸時代、加賀藩から来た火消しの鳶は粋で鯔背(いなせ)で、大変人気があったそうです。そこで、「かっこいい」と「和」のイメージを凝縮して作ってみました。日本音階を意識的に使って作った初めての曲です。日本調のサウンドとキック上に、凧がくるくると舞うようにメロディーが踊ります。
今日はDUOなので、CDとは違うアレンジにしてみました。今日のための書き下ろしアレンジです。

◉月の井(つきのい)-純米吟醸/茨城県大洗市、月の井酒造。
「When The Moon Hugs The Shore」2007年7月(?)作曲、
[お酒について] 海からほど近い、古いけれど綺麗な、こぢんまりした蔵です。「和の月=なのつき」という有機無農薬のお米で作ったお酒も素晴らしい。普通の純米も美味しいです。蔵のウェブサイトで「うま口」とある通り、香りすぎず、濃すぎないバランスのよい味わいがあります。
※2011年リリースのCD「Songs For My Sake」のジャケットとブックレット写真を、この月の井酒造店で撮影しました。
[曲について] タイトルは、月の光が浜辺を抱きしめている、つまり、月が浜辺を照らして、その穏やかな波がきらきら光っているという意。そのとおりキラキラして、暖かでやさしさのある、切なさも少しあるバラード。夢見心地なところもあります。メロディーはシンプルですが、コードはFではじまっていつの間にか裏のBまで行きます。CD「Lush Life」収録。

◉開運(かいうん)-特別純米/静岡県掛川市、土井酒造。
「For Better Days」2008年1月(?)作曲。
[お酒について] 静岡のお酒は、それまであまり飲んだ事がありませんでした。この、飾り熊手のラベルの「開運祝酒」を飲んだときは、その美味しさにびっくりしました。甘すぎず、香りすぎず、酸味も強すぎず、薄すぎず、バランスのとれた嬉しくなるような味わい。飲む度に笑顔になる美味しさです。いろいろ種類がありますが、ひやおろしがまた美味しい。
[曲について] CD「Lush Life」収録。この曲は表参道で、日本酒&ジャズライブの企画があり、それに向けて書いたものです。笑顔のこぼれるような美味しさと「開運」というおめでたい銘柄は、パルチドアルトというリズムパターンのサンバになりました。ちょっと聴くと明るい曲、ですが実はマイナーで切なさもある、このサウンドにも、開運の味わいを入れたつもりです。今日の相方でありCD収録メンバーでもあるギター山口友生と、この曲はいちばん一緒に演奏しています。
by koji-nori | 2014-04-19 04:02 | 日本酒とオリジナル曲のこと
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ジャズフルート奏者小島のり子のブログ。websiteは kojinori.com

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